警視庁下山事件特別捜査本部が作成した内部資料。通称「下山白書」と呼ばれる。12月15日ごろに20部が作成され、警視庁総監、部長クラスに配布され、残りは捜査一課の金庫にしまわれた。
本来内部資料であるはずのものが、なぜ漏洩したかに関しては後述するが、翌25年1月に「文芸春秋」「改造」各誌にその内容が掲載された。その内容は自殺説を裏付けるようなものとなっている。
この文書に対する他殺論者の評価は手厳しく、「自殺説に都合のいいことばかりを取り上げ、重要な部分に関してはフィクションがいっぱいである」という意味のことを矢田喜美雄は書いている。また松本清張も漏洩に関して「自殺説と結論づけるための警視庁側の演出」としている。またの名を「下山黒書」と呼ばれるゆえんだ。
いずれにせよ唯一の「公的資料」であるし、矢田や松本自身がそうであったように、この文書をもとに事実関係を述べてゆかないことにはまったく話が進まない。本サイトでもこの文書を度々引き合いに出す。
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