本年七月四日午後五時三十分頃東京駅二階国鉄公安局長室に来られた、丁度芥川局長を囲んで橋本公安一課長赤城二課長、吾孫子文書課長。中村秘書課長等が話中であったが局長は総裁に配置状況の説明を初め、御茶を持って来いと命じると、御茶はいらないと言い乍ら局長のテーブルの上にあった、局長が口をつけた茶の茶碗を取り飲んで了まった、局長は何か持って来いと命じ各自にアイスクリーム一つ宛を配り喰べたが尚一つ総裁に進めると「いらない」と一応断わって置き乍ら、新聞を買いに行って不在中の橋本課長席前のクリームを取って食べて了まった。其後橋本課長が新聞を買って来て見せると一人ごとのように三万七千やったのかと言って丸ビルの処に車を止めているからと、出て行かれた。その折赤城課長は送りに出た途中加藤課長に会ったので送りを頼んで戻った。加藤課長は送り出そうとすると肩を叩き乍ら「君はいいのだ」「身体に気をつけろ」と出て行かれたが、いつも話し乍ら車の処迄送り発車を見とどけて別れるのに、今日は「も、いい・・・・」と言われた事はわからないと言う。
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総裁の行動としては常親を失していたと判断される。
七月八日
大島刑事・中ノ瀬刑事
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