住居東京都北区上十条二ノーノ七番地
日本国有鉄道総裁室
秘書係大塚辰治
当日総裁が定時に出勤しないので関係方面に立寄の有無を問合せ総裁自宅に至り、当日の出勤状態時間等を聞き関係方面に手配した。午後五時半頃国鉄秘書室からの連絡に依り総裁の自動車が日本橋三越前にあった事を受け、下山邸家族(芳子夫人、次男俊次、実弟下山常夫氏)に知らせ若しや総裁が脳溢血又は自殺をする為めに身をかくしたのではないかと案んじ乍ら総裁専用机上及び引出手文庫の中等及び下山常夫氏、橋本氏長男定彦氏、次男俊次氏と共に調べて見たが遺書らしきものの存在なく案んじていると、翌六日早朝二時半過ぎ上野管理部運転掛より総裁らしい者が常磐線北千住綾瀬駅間東武線ガード下に於て轢死体であるとの電話連絡で土井運行課長外三名と現場に急行し下山総裁と確認した。
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下山総裁が失踪後自宅では病気か自殺の為め身をかくしたのではないかと直感している点、それにもとづいて遺書を探して居る点は特に考慮の要ありと考えられる。
記載なし
●(#010215)